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2007 年度 実績報告書

六朝隋唐時代における仏教譬喩経類の受容と道教

研究課題

研究課題/領域番号 18520033
研究機関名古屋大学

研究代表者

神塚 淑子  名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20126030)

キーワード本生譚 / 六度集経 / 六朝道教 / 霊宝経 / 漢訳仏典璧喩経類
研究概要

仏および仏弟子の前世物語は、中国において仏教が広まる上で重要な役割を果たした。長く繰り返される輪廻転生と因果応報という、中国にはもともと存在しなかった観念を物語によってわかりやすく説いた本生譚は、小説や絵画などの形式をも借りながら、人々の間に浸透していき、それは、道教にも影響を及ぼした。
六朝道教思想との関連が濃厚な漢訳仏典『六度集経』について丁寧に読み解きつつ、本生譚が持っていた意義を考える研究会を昨年度から始めたが、本年度もそれを継続し、中国仏教のみならず、インド仏教や仏教美術史の専門家たちからの貴重な指摘をいただきながら、多角的な視点から『六度集経』の検討を行ってきた。「六度」のうち布施に関する話を載せた『六度集経』の巻1から巻3までの部分の日本語訳はすでに完成し、研究成果報告書の中に収録した。
六朝時代の霊宝経においては天尊・元始天尊という神格が登場し、道教の最高神となっていく。その過程で、仏教の本生譚の影響を受けて、天尊・元始天尊についても、前世の物語が作られるようになる。この問題に関連して、本年度5月には、中国・西安で開催された美術史関係の国際シンポジウムにおいて口頭発表を行った。
漢訳仏典譬喩経類の研究は、思想・文学・美術・語学の諸方面の知識が求められる学際的な性格を持っている。『六度集経』研究会の継続、海外の研究者との意見交換などを通じて、今後もこの研究を続けていく必要性を感じている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 司馬承禎と天台山2008

    • 著者名/発表者名
      神塚 淑子
    • 雑誌名

      名古屋大学文学部研究論集 哲学54

      ページ: 79-98

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ≪海空智蔵経≫與≪涅槃経≫-唐初道教経典的仏教受容-2007

    • 著者名/発表者名
      神塚 淑子
    • 雑誌名

      日本東方學 1

      ページ: 98-132

    • 査読あり
  • [学会発表] 天尊像与元始天尊像的問世与霊宝経2007

    • 著者名/発表者名
      神塚 淑子
    • 学会等名
      中国首届道教美術史国際研討会
    • 発表場所
      中国・西安美術学院
    • 年月日
      2007-05-11
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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