研究課題/領域番号 |
18520034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
西脇 常記 同志社大学, 文学部, 教授 (50108966)
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研究分担者 |
ウイツテルン クリステイアン 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (20333560)
梶浦 晋 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (80293950)
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キーワード | トルファン漢語文書 / ベルリン・コレクション / 漢語大蔵経版本 / 漢字文化圏 |
研究概要 |
本年度、代表者の西脇は11月18日から12月3日の間、ドイツ・ベルリンにおいてトルファン文書を調査した。出発までに、既存の3冊の漢語仏典目録から版本の抽出を行い、インターネット上(トルファン研究所からのCh/UとIDPからのCh)の画像と併せて準備した。現地では、目録と画像では解明しない多くの疑問点、例えば、目録では一枚の紙の表(rekto)・裏(verso)とされながら実際には数枚が重なっている文書、ガラスケースに入ったままの撮影であるため四隅にきた界線が判然としない画像などを、実見によって確認した。 また3冊の目録では、一枚の紙の両面に書かれている場合に、どちらを表とするかが以前から問題になっていた。いま版本を中心にこれらの目録を改めて見るとその不備が浮彫にされる。目録は写本に厚く版本に薄い。写本=価値の高いテキストとの認識から、一枚の表裏に写本と版本がある場合、機械的に写本が表で、版本が裏との記号がつけられた場合がある。一例をあげれば、Ch1787(T II T 1749)r/vは目録2にvとして版本『大般若波羅蜜多経』が記載されている。一方、rの写本は目録では同定されていないが、元の沙門釋智譯『聖妙吉祥真實名經』の断片であることが判明した。rの版本は金版であることが確認されているので、元以降にその裏に写本が作られたことになり、表裏の記号が逆であることが分かった。以上のような地道な収穫を重ねることにより来年度以降も漢語印刷断片の整理は着実に成果をあげることが出来るであろう。 協力者のウイツテルン・クリステイアンは、本年度は版本のデーターベース構築に従事した。梶浦晋はベルリン・トルファン文書をより深く理解するために、国内に所蔵されるトルファン出土の版本の実見のため、静嘉堂文庫・京都国立博物館等に出向き調査にあたった。
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