研究概要 |
1,「洞神経」「三皇文」「三皇経」佚文の収集と整理 最終年度の平成20年度は、宗教文献、一般叢書を対象とした、「洞神経」、「三皇文」及び「三皇経」の佚文収集作業を完了させ、それに依拠した、「巻次明示『洞神経』佚文」、「巻次未詳『洞神経』佚文」、「『三皇文』及び『三皇経』佚文」に分類整理し、報告書を作成し、関係各機関に配布した。 2,六朝期受容「洞神経」の再構成 上記作業で整理された「洞神經」の佚文を整理することで、六朝期に受容されていた「洞神經十四巻」の全体像の復元をほぼ行うことが出来た。加えて、宋代以降の諸文献を調査した結果、「洞神經」の実体は、宋代以降はまとまった形で存在しなくなったとの推論を得ることが出来、近世の道教を考える際の一つの視座を得ることが出来た。 3,実績報告 上記復元作業の成果の内、前年度に続いて、「巻次不明「洞神經」佚文」部分を、「六朝以来諸文献所引「洞神経」-(2)巻次未詳「洞神経」-」(『熊本県立大学文学部紀要』第15巻所収。2009年)として報告した。紙幅の関係で、『紀要」掲載論文に収録することが出来なかった資料も含む詳細な報告冊子を作成した。
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