現存する『論語義疏』抄本の所在を調査した結果、35種の抄本が確認できた(この他、4~8種のどうしても行方が判らない抄本がある)。所在の判明した35種の抄本を用いて、定本と校勘記を作成中である。(その成果の一部は発表済み) また、それらの抄本の中でも最も詳細に訓点が施され、筆写者や来歴経緯がはっきりしている「大槻本」の翻刻訓読を試みて、文明十九(1487)年当時の訓読の様態を明らかにしつつある。(その成果の一部も発表済み) さらに、「大槻本」その他の抄本に附される訓点や注記を参考にして、『論語義疏訳注』を作成予定である。 パリのフランス国立図書館に唐代に書かれた『論語義疏』が所蔵される。これを実見して、いままで不明確であった敦煌本の実態を明らかにし得た(詳細は後日発表予定)。
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