本研究の準備段階である目録整理に関しては、江戸末期までの目録類も含め、別紙(平成19年度の研究成果)記載論文3本と 1「『大日本古文書-正倉院編年文書』にみられる新羅仏教の二・三の問題」(『所報』第11号、身延山大学東洋文化研究所、2007年、1-26頁) 2「日本仏教にみられる朝鮮仏教の影響-13世紀から江戸末期までの目録類を中心として」(『仏教文化の諸相』、山喜房仏書林、2007年、273-288頁) 上記2本、計5本の論文により完了した。この作業により、各時代毎の目録所収の朝鮮章疏の実数と、重用された章疏、各目録にみられる新出の朝鮮章疏の指摘を行った。また各論文末尾にそれ等を把握できるよう表を附した。 上記の準備段階を経て、本年度は日本法相宗にみられる新羅・高麗仏教認識の整理を行った。その成果は日本宗教学会で口頭発表を行い、更に1「日本法相宗諸目録及び章疏にみられる新羅仏教認識」(『宗教研究』第81巻第4輯、日本宗教学会、2008年、360-362頁)として論文発表も行い、新羅法相学に対する中国法相宗の批判に応ずる形で、日本法相宗の新羅法相離れが起こったことを指摘した。
|