研究課題
本研究では、欧米を中心に構築されてきた宗教間対話を批判的に考察し、これまで十分に研究の対象とされてこなかった非欧米圏の宗教間対話の取り組みの実態を調査することを目的としてきた。それと同時に、欧米圏および非欧米圏の宗教間対話が、テロ・地域紛争・戦争などによる政治状況の変化から受けている影響を調べ、また関連各国の政策決定において宗教政策がどのように変容してきたのかを明らかにしようとした。以下に成果を上げる。(1)従来の宗教間対話モデルの批判的考察欧米のリベラル派の学者において主流となっている宗教多元主義や多元主義的宗教政策の問題点を示し、同時に、それを非欧米圏に適応することの難しさを示唆した。(2)非欧米圏(特にアジア・中東)の宗教間対話の調査・研究特に日本の近代史における宗教政策を研究対象とし、宗教概念そのものが国策に大きく依存していることを明らかにした。また、欧米とは異なる形で、近代日本においても宗教間対話はなされていたが、それが時には戦争協力へと結びついていくメカニズムを考察した。(3)政治的変化と他宗教理解の相関関係の調査・研究宗教間対話は、それぞれの宗教伝統の交流だけでなく、政治的な文脈に依拠すること、とりわけ、近現代史においてはナショナリズムとの関係を無視できないことを明らかにした。それぞれの宗教は、置かれた土地に根ざそうとする根源的欲求を持つが、それが国家的な価値観に吸収される近代特有の現象を分析した。
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http://www.kohara.ac/