本年度は、前年度にひき続き、必要な基礎文献の収集、複写および整理を行なった。 また、各研究者は、各自の分担を調整しながら、日本プレ近代思想の系譜をあとづけるべく研究を進めた。 さらに研究チームは、最終報告書をまとめる準備のため、前年度と同様に、平成20年3月、研究支援者の最近の業績をふまえた学際的なワークショップを開いた。すなわち、伊藤祐吏、野口良平の両氏の最終報告書の構想を検討し、さらに研究代表者(橋爪)の論文"One Step Further from Max Weber"を吟味した。この英文の論文は、山崎闇斎の正統論に加え、伊藤仁斎、荻生徂徠らの新儒学、本居宣長の国学を合わせた効果が、プロテスタント改革派のそれに匹敵するという見解を明らかにするものである。 研究代表者ならびに研究協力者、支援者らは分担して、研究計画書にのべたプランに従って、幕末期に前後する業績の系譜学的な整理と分析を進めており、まもなく研究報告書としてまとめることができると期待している。
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