研究概要 |
(1)研究代表者の井口壽乃は、1920年代東欧のダダイストによるグラフィズムの実験についてまとめ(「東欧1916-1924:東欧のダダ、その波動の周辺で」『水声通信』7号、2006年)、さらに戦後アメリカに移住した東欧出身のデザイナーについて、チェコ人のラディスラフ・ストナーとハンガリー人のハンガリー人ラースロー・モホイ=ナジを中心に、クーパーヒューイット・デザイン・ミュージアム(NY)と、アナーバー在住の遺族にヒヤリングを行った。国内では川村記念美術館、富士ゼロックス株式会社にて調査を行った。その研究成果を日本デザイン学会にて報告した。(「ラディスラフ・ストナーによるインターナショナル・スタイル:1930年代チェコスロヴァキアのモダニズム」『日本デザイン学会第53回研究発表大会概要集』2006年)。 (2)分担者の菅靖子はライマン学校とイギリスの広告に関する研究を発表した。("Modernism, Commercialism and Display Design in Britain The Reimann School and Studios of Industrial and Commercial Art", Journal of Design History, Vol.19 no.2, 2006)また、パリ装飾美術館所蔵のモダニズム期西欧のポスターおよび雑誌の調査を行った。 (3)分担者の伊原久裕は「イギリスと中欧の関係について」ロンドンにて、西村美香と山本政幸は国内の所蔵品について調査を行った。(西村美香「大学コレクションとミュージアム」『日本デザイン学会特集号』第14巻・3号、2007年) 本年度の研究成果は、平成19年に「越境のグラフィックデザイン:1930年代展」(10〜12月、富士ゼロックス・ギャラリー)として一般に公開するとともに、シンポジウムを開催して国内外の研究者と意見交換をする予定である。
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