1.中華民国期の社団遊芸活動にかかわる国外調査と資料収集 期間:平成18年8月10日〜平成18年8月25日(16日間) 調査地と概要:中国(北京、上海、天津)の主要図書館等における収集資料の収穫 (1)中国芸術研究院付属図書館では、民国期アマチュア音楽組織の先駆「大同楽会」を組織した鄭観文の著作と、その他組織の同人誌を閲覧できたが、規定が厳しく機械複写が一切できなかった。また慈善組織や社会活動組織が発行した関連資料も閲覧できなかった。(2)上海図書館では、民国期のアマチュア娯楽活動を先導した儲蓄会の年誌や作曲者に委託した歌曲集を入手し、当該組織の活動状況を推測する若干の手がかりが得られた。(3)上海〓橋案館外灘新館では、1930年代の地域同好活動の資料を数点閲覧できた。 *上海図書館では多くの資料がマイクロフィルム化作業のため閲覧できなかった。このうち、再複写が許可されたものは、帰国後に科研費で購入した。 2.国内での民国期新聞閲覧の継続 1925年から29年8月分までの「申報」を読了。年を追うごとに情報量が増える反面、その中から関連情報を拾い出す困難が増した。読了目標に達せず遺憾だが、30年代の文化爛熟期を控えた同時期の、知識層による娯楽・慈善活動およびアマチュア音楽活動の変遷は、ある程度みてとれた。
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