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2008 年度 実績報告書

古典的文芸作品にみられる音感覚についての比較美学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520089
研究機関広島大学

研究代表者

原 正幸  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (10092305)

キーワード音感覚 / 自然音 / 聴覚世界 / 文芸的美意識
研究概要

(1)日本の音感覚史上「源氏物語」と並んで特筆されるべき松尾芭蕉の作品(全発句)を調べ、(i)「自然音」(風や雨の音、鳥や虫の鳴声等々)、(ii)「生活音」(米を搗く音、物売りの声等々)、(iii)「人為音」(音楽、歌等々)が詠み込まれている発句をリストアップし、さらにそれらの音が現実の音響現象として描かれているか、或いは音響現象を含意するものとして描かれているか、という観点から分類を試みた。
(2)昨年度の実地調査に引き続き、「奥の細道」の中核部分の端緒をなす松島周辺(多賀城跡{つぼの石ふみ}、沖の石、末の松山、塩竃神社、松島湾、雄島、瑞岩寺)を実地調査して聴覚の環境を確認し、これらの歌枕の由来に関する国文学の資料を収集した。
(3)既に「万葉集」にも見出される虫の音(コオロギ、キリギリス等)に対する嗜好を中国の場合と比較し、中国古代の「詩経」では晩秋になると人家に住みつくものとしてその鳴き声に関心が向けられていたコオロギが、中世以後は鳴き声よりもコオロギ同士を闘わせる遊び(「闘蟋蟀」)の対象に変わって行く点が、日本の場合と顕著に異なることを究明した。これを論文にまとめ、今年9月中国南京師範大学で開催第8回中日音楽比較国際フォーラムで発表する予定。
(4)「古事記」全巻において音感覚が記述されている箇所を調べ上げ、資料化する準備作業を行った。
(5)新しい音楽美学の観点から音感覚の<あるべき姿>を提示する自著「スコラ・ピロムーソールム」の、分散発表されていた「第II部音楽少年アイヌーシュの修行」を編集し、私家版として刊行した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] スコラ・ピロムーソールム 第II部 音楽少年アイヌーシュの修行 (第4章-第6章)2009

    • 著者名/発表者名
      原 正幸
    • 雑誌名

      芸道思想の現代的意義について(科学研究費補助金(基盤研究B15320023)研究成果報告書)

      ページ: 44-60

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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