研究概要 |
(1) (1)日本の主要な古典的文芸作品の原典校訂版を購入し、音感覚史上特筆されるべき「源氏物語」(全編)と芭蕉の作品(全発句および「奥の細道」)を中心に、音感覚と関わりのある箇所を原典に即して精査し、資料化する。 (2) (1)の資料に基づいて、そのような音感覚がどのようにして成立し得たか、を比較美学的に解明することを目指す。その際、可能な限り中国古典文学の場合との比較を試みる。 (2) (1)「奥の細道」の中核部分(松島-酒田)の主要地点(松島, 平泉, 立石寺, 最上川, 出羽三山, 象潟)を3 年計画で実地調査して地理的環境を確認し、芭蕉の時代の聴覚世界を推測する手掛りを得る。 (2) 以上の研究成果を関連する中国の学会で発表して中国の美学者・音楽学者の意見を聞くと共に、日中の古典文学に見られる音感覚に関してどのような点に両者の根本的な差異があるかを把握する。 (3) 最終年度(平成21 年度)に本研究上作成した資料、および本研究に関連する自著論文を収録した研究成果報告書を刊行する。
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