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2009 年度 研究成果報告書

古典的文芸作品にみられる音感覚についての比較美学的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 18520089
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学・美術史
研究機関広島大学

研究代表者

原 正幸  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (10092305)

研究期間 (年度) 2006 – 2009
キーワード音感覚 / 自然音 / 聴覚世界 / 文芸的美意識
研究概要

日本人の音感覚、特にある種の自然音(例えば、風の音、虫や鳥の鳴き声等々)に対する感覚には季節との繋がりを感じ取るというような独自性が見られることがしばしば指摘されて来た。その原因として既に四半世紀以上も前のことになるが、大脳生理学者角田忠信によって大脳機構説、即ち西洋人の場合そのような自然音は雑音として大脳の非言語半球において処理されるのに対して日本人の場合は有意味な音として大脳の言語半球において処理されるという特異性の存することが科学的に実証されることが主張され、この解釈は世間にも広まることになった。しかしながら、この大脳機構説は当時小学生であった彼の子供には当て嵌まらなかったという彼自身の証言がヒントとなって、本研究代表者はある種の自然音に対する日本人の嗜好は大脳の機構の特異性によるものではなくて、文芸的伝統によって培われ間主観的に形成されて来た文芸的美意識によるものであると考えるに至った。本研究ではこの考え方を古典的文芸作品に基づいて実証すべく、「万葉集」、「古今集」を始めとする和歌集、「源氏物語」全五十四帖および「平家物語」、松尾芭蕉全発句および紀行文「奥の細道」等々のような日本の代表的な古典的文芸作品における音感覚を精査・分析することを通じて、日本人の音感覚の独自性は文芸的な美意識の伝統と、家屋の構造および生活形態(旅、隠居、男女の離別等)によって育まれてきたものであることを解明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 詩人の音感覚と音楽性-松尾芭蕉「奥の細道」の聴覚世界の一断面-2009

    • 著者名/発表者名
      原正幸
    • 雑誌名

      第8届中日比較音楽国際学術研討会論文集 巻数ナシ

      ページ: 33-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「音楽を通じての男女(夫婦)再会譚」の起源2007

    • 著者名/発表者名
      原正幸
    • 雑誌名

      第7届中日比較音楽国際学術研討会論文集 巻数ナシ

      ページ: 361-365

    • 査読あり
  • [学会発表] 詩人的音感覚与音楽性-松尾芭蕉「奥州小道」之聴覚世界的一个断面-2009

    • 著者名/発表者名
      原正幸
    • 学会等名
      第8届中日比較音楽国際学術研討会
    • 発表場所
      中国江蘇省南京師範大学
    • 年月日
      2009-09-12
  • [学会発表] 「通過音楽重逢情人(愛人)故事」的源流2007

    • 著者名/発表者名
      原正幸
    • 学会等名
      第7届中日比較音楽国際学術研討会
    • 発表場所
      中国湖北省武漢音楽学院
    • 年月日
      2007-09-08
  • [図書] スコラ・ピロムーソールム2010

    • 著者名/発表者名
      原正幸
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      大学教育出版(印刷中)

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公開日: 2011-06-18   更新日: 2016-04-21  

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