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研究対象としては、文様の制作において精神性の高さを必要とする琉球王朝時代の古典紅型の文様を中心に各種儀式に用いられた衣装及び用具等をふくめて、自然観を的確に表現した古典文様を比較対象の基盤としている。本研究は古典文様が形成されて行く過程を日本と周辺諸国の各時代の古典文様を取り上げ比較し、文様の基となる物質、その物の持つ精神性を調査し、それぞれの異なる地域、歴史の中で形成されてきた文様とその構図の特色について時空間比較する事を目的としている。文様が形成される中で、作者の感性と時代的及び地域的背景が大きく影響するが、本年度は、精神的背景による特色等の比較に停めず、文様が制作され空間処理される過程における必然性を紅型制作の技法的制約からも検証する事ができた。
1)沖縄の古典紅型文様の原図とモティーフの調査
鎌倉芳太郎資料(沖縄古典紅型資料)の中の御絵図帳にある文様原画の調査を行った。
2)紅型技法の伝播と周辺諸国の古典文様の調査収集
沖縄の美術工芸の形成に深く関わりのあったタイでの染織工芸の調査を行った。
3)本土の古典文様の調査
沖縄古典文様制作に関連する本土の美術工芸作品について東京、京都の美術館において関連資料の収集をおこなった。
4)制作発表
本年度の調査研究の成果の一環として、古典文様のモティーフを調査研究した資料を基に再構築した作品を一つは紅型衣装として制作し、他2点を新匠工芸会及びJapan Textile Council (JTC)において発表した。
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