沖縄の古典紅型の調査、本土の古典文様の調査及び周辺諸国の古典文様の調査から、伝統文様の成り立ちはその国々の精神的背景と文様が装飾される土台の用途と表現する技法など多くの制約を受けて、文様の基となるモチーフの個性と形態が再構築され、新たな生命を持つものにと変貌し、長い時代的な背景に進化し続けている事が明らかになった。そして文様と空間は綿密な関係をもちながえら、絶妙なリズムをかもして装飾される土台を生かし、さらには装飾する事自体の必然性を語りかけており、文様は文字と同じに意思伝達の要素を持ちながら、発達して来ている事などが明らかにされた。さらに、調査研究に基づく制作として古典文様をモチーフとした作品を新匠工芸会とJapan Textile Council(JTC)において発表した。
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