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2008 年度 実績報告書

大正期の民間楽団に関する資料研究--楽員とレパートリーを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18520098
研究機関東京音楽大学

研究代表者

武石 みどり  東京音楽大学, 音楽学部, 准教授 (70192630)

キーワード洋楽受容 / 民間楽団 / ジャズ / 大正期
研究概要

研究の最終年度として、以下のように研究を実施し成果を得た。
(1)基礎資料の収集
主に船の楽団の基礎資料収集を行い、乗船記録から実際にどの人物がどのような組み合わせ(5人1組)で乗船したかという推移をたどった。アメリカのデータベースから得られる情報は膨大であり、大正期までの確認を終了した。
(2)演奏記録のデータベース化と分析
船の楽団の実際の演奏記録と新発見のレパートリー・ノート、および使用楽譜記録を基にデータベースを作成するとともに、そこに記されている楽曲がどのような特徴であるかを確認するために、全世界の図書館所蔵資料および古書目録をもとに楽譜コピー及び現物を収集した。その結果、現在我々がクラシックと分類する楽曲、ブラスバンド用楽曲(スーザのマーチ等)、および日本旋律の編曲ものを約半数とすると、残りの半数は通俗的な旋律であり、後者が日本に入ってジャズとして発展したこと、また音楽ジャンルの枝分かれは昭和期に入ってから進んだという経緯を資料によって跡づけすることができた。
(3)隣接分野研究者とのネットワーク構築と再現演奏
初期ジャズ史研究家2名との情報交換を開始した結果、日本ジャズ史において重要な楽曲の楽譜を再発見し入手することができた。これらの楽曲は、上記(2)で注目されるレパートリー曲と共に平成21年5月に再現演奏を実現する。三越少年音楽隊研究者1名との情報交換により、同楽団の演奏レパートリーは船の楽団がもたらした新曲と音楽学校等で演奏される楽曲の両方を含み、当時の新傾向と定番曲との両方を演奏していることが判明した。
(4)演奏者の出自と動向の分析
(1)と(3)により、大正期の民間楽団の中核となった演奏者の動向をまとめ、それが昭和期の楽団にどのように発展したかについての考察を進めた。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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