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2006 年度 実績報告書

スペイン美術史と古典古代の遺産-基礎資料の構築と解析

研究課題

研究課題/領域番号 18520102
研究種目

基盤研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

大高 保二郎  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70118503)

キーワードスペイン / イベリア / 古典古代 / バーサ / エルチェ / オスーナ
研究概要

「スペイン美術史と古典古代の遺産-基礎資料の構築と解析」を実り多い研究とするための前提として、秋までは古代遺跡および美術遺産のリサーチから出発した。紀元前約10世紀から紀元後数世紀までの1000年以上を対象にして研究するためには、全体を把握すると同時に、集中的にアプローチする地域を決定することが先決であった。まず豊穣・多産な制作と古代遺産で知られるアンダルシーア、特に注目したのが地中海に面したイベリア半島南東部、通称arco mediterraneoと呼ばれる地域である。具体的にはマラガ、グラナダ、グァディス、バーサ、アルメリーア、カルタヘーナの各地において遺跡や博物館の遺品を調査し、撮影した。エルチェ(イリシ)、オスーナ、バーサから出土の遺品でその名がよく知られるように、そこは東方地中海世界からの影響もあってイベリア半島でもとりわけ古代世界を通じて繁栄した地方である。作品としては彫刻とセラミックが中心であり、特に後者は騎兵隊や戦いの図、狩猟、舞踏などをテーマとして、廉価な素焼きの壼や甕に人物、動物、魚、鳥などを幾何紋や植物紋のフリーズ状の帯の間にダイナミックに、生き生きと描写している。その自由な造形と奇抜な空間処理、さらにモノクロミー的な表現も注目される。
近世以降のスペイン美術を代表するベラスケスとピカソがアンダルシーア、ゴヤはアラゴンの出身である。彼らの造形や色彩感覚、線と面の問題は、今もその風土に残された原初的な美術の分析を通して比較、類比が可能だと思われた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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