研究概要 |
国立劇場舞台監督30年の経験を踏まえて歌舞伎・文楽を支える熟達職人の記録を刊行した際、その名人達が次々物故していく現実に直面し、一人の熟達職人の死は技術の消滅だけではなく、一人の人生にこめられた歴史の深い時代層そのものを矢うことを痛感、「岐阜県下の地芝居の調査」に当たっては古文書の発拙努力はもとよりながら地芝居小屋の調査と併せて合在る歴史の証人者として、古老に聞く地芝居・演技・風土の記録を視した。結果として地芝居の存在を多角的、多義的に証言、過去と現代の時代層を考察させるものとなった。[調査概要]地芝居の中でも異色な存在である.獅子芝居と山車(車山=やま)上で演じられる子供歌舞伎を<異形な地芝居>としてとらえて.(1)揖斐川の子供歌舞伎(2)郡上市八幡町吉田の伊勢神楽(獅子芝居)(3)岐南町伏屋の伏屋の獅子芝居の三団体を調査対象とした。[調査内容](1)三輪神社を中心に古くから伝承されきた車山芸(やまげい)の生れた風土歴史を古老の聴書きから、又子供歌舞伎の実体を支える人々の証言,公演(際礼)当日の撮影(2)前夜の稽古・当日の町を上げての準備、古老の聴書き、撮影(3)古老の獅子方から若者への伝承風景を映像記録、古老の聴書を等映像記録はデジタル動画と靜止画。
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