研究概要 |
今年度の研究は,昨年度末に調査をした学習院大学日本語日本文学研究室に所蔵する読本の大量データの整理から開始した。夏休みには昨年に引き続き,分担者と伴に横山邦治氏(読本研究の泰斗)宅へ出向いて御架蔵本の調査をした。また,年度末にはフランス国立図書館など在パリの読本についても調査をして,多くの貴重な書誌データの蒐集ができた。また,研究終了一年前倒し申請した以前の研究成果報告(2003〜5)として,現時点で判明している読本の所在一覧をまとめた。 未だ調査の及んでいない読本を大量に所蔵している機関として,国立国会図書館や東京大学国文学研究室などがある。近年,早稲田大学が所蔵する和本の画像データをインターネット上で公開しはじめたが,このプロジェクトから受ける恩恵は絶大である。大量の標目に関する書誌データを蒐集する場合,事前に閲覧申請をした上で,当該機関まで出向いて限られた閲覧時間内で作業をするのは非効率きわまりない。尤も,国会図書館や東大など相変わらず開館時間に出向いて調査するしかないところも多く,本研究の完遂にも今しばらくは時間が懸かると思われる。現状ではやむを得ないだろうが,多くの機関で画像データのインターネット公開を期待したい。
|