研究概要 |
本研究は、海外の日本語図書の蔵書の歴史を調査し、関連史料を収集、整理、提供することを目的としている。本年度は、海外での調査として、ミシガン大学、コロンビア大学、イエール大学、カリフォルニア大学(バークレー)、カリフォルニア大学(ロサンゼルス)の日本語蔵書史に関する追加調査を行った。特にこれまでの調査で十分ではなかった、写真史料に重点をおいた資料状況を調査した。 また、これらの調査に基づき、主に占領下の日本で海外の機関が行った日本語図書収集活動に焦点をあてた研究報告を、オランダでの国際学会(Society for the History, Authorship, Reading & Publishing)で行った。また、ヨーロッパにおける日本語蔵書の研究状況、関係史料の状態についての調査を行った。 日本国内の調査では、占領期にミシガン大学が岡山に設置した日本研究所についての史料調査を岡山で、同じく占領期に日本語収集にあたっていたカリフォルニア大学(バークレー)の調査員に関する史料を小樽商科大学で収集した。また、国内の関連史料の収集、整理を進めた。 これらの史料をもとに、現段階までの調査内容を研究報告書としてまとめ、2月に出版社より刊行した。また、この成果を国内、海外の研究機関に送り、今後の調査への連携、協力体制を整えることとした。そして、こうした研究の進展状況を含め、調査プロジェクトのホームページを通して情報公開に努めた。
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