研究概要 |
本研究の目的は、米国における日本語蔵書の形成について明らかにし、あわせて、関運する資料を整理、公開してゆくことにある。 こうした海外における日本語蔵書形成についての研究は、各研究領域にわたる広い関心を引く領域にもかかわらず、いまだ十分な研究がなされておらず、その情報の共有が急務である。 こうした関心を高めるための活動として、アトランタで行われた北米日本研究資料調整協議会(NCC,The North American Coordinating Council on Japanese Library Resources)で報告を行い、本研究の重要性を述べるとともに、蔵書形成にかかわる資料の保存と利用の意義について報告を行った。また、あわせて米国内の各地図書館の関係者からの情報収集を行った。また、米国内の追加調査として、日米間の図書流通の歴史に戦後深くかかわったタトル出版における書店史料の調査を行い、同社所蔵の数多くの資料を収集することができた。 国内では、書籍の日米交流という観点から、角田柳作についての調査、報告や、米国内における占領期の被接収文献についての調査報告を行い、論文として公開を進めてきた。また、図書、書籍の流通という観点からの問題意識を高めることをねらいとして、地域の読書史、蔵書史と関係づけながら、研究報告や論文の公開を進めた。同時に、これらの問題意識を共有する研究者とともに、研究会、および論文集の発行を行った。
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