本研究は、文学研究へのコンピュータ利用の強い要請がありながらも、なお足踏み状態にある現状を、これまではと別の観点から打開することを目的とし、上代文学作品全体を俯瞰的な立場から、その文字理解を進めるものであり、次に記す四点からなる。 (1) デファクト・スタンダードとなるテキストファイルを構築する。 (2) 複数の作品のテキストファイルに共通する外字を策定して、作品を横断しての文字研究を推進する。 (3) それぞれの作品に特徴的な漢字を抽出し、静態論的把握を行い、これを他作品へも適用し一般化する。 (4) 上代文学の文字使用における統合的なモデルを構築し、上代漢字使用層の全体像を明らかにする。
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