当初の研究計画に即して、全国の旧制中学校(新制高校)に、『校友会雑誌』の所蔵状況等に関するアンケート調査を行い、回答を回収した。 対象としたのは、戦前期に設立された旧制中学校のうち700校であり、回答を得たのは323校である。 回収率は、46.1%となった。アンケート内容は、以下の項目にわたっている。 1.戦前期における『校友会雑誌』の刊行の有無 2.刊行していた場合の、『校友会雑誌』の名称とその変遷 3.創刊の年度 4.現在の所蔵の有無と、その号数 5.他の所蔵場所の有無 その中で、戦前期に『校友会雑誌』を刊行していたとの回答を得た校数は216校、刊行なしと回答した校数86校、不明とした校数17校であった。それらのデータを分析し、また収集・閲覧した『校友会雑誌』の内容の検討を行ない、次の項目に沿って比較分析を進めた。 a.どのような誌面の構成が行なわれていたのか、 b.各欄および各項目の名称とその変化 c.編集方針と、文芸等の原稿を採用・掲載する条件 d.執筆・寄稿者とその推移 それらの分析結果を、斉藤・市山の共著による「旧制中学校における校友会雑誌の研究」(『東京大学大学院教育学研究科紀要第48巻』2009年3月)にまとめた。
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