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2007 年度 実績報告書

浮世絵のリレーショナルデータベース化-初期浮世絵の文字情報の解明-

研究課題

研究課題/領域番号 18520133
研究機関清泉女子大学

研究代表者

武藤 純子  清泉女子大学, 文学部, 講師 (50424304)

キーワード初期浮世絵 / 浄瑠璃詞章 / 薄物正本 / 長せりふ / せりふ本 / 役者絵 / 鳥居清信 / 奥村政信
研究概要

本研究の目的は、浮世絵情報のリレーショナルデータベース化によって、新たな研究成果を得ることである。研究実施計画に従い、国内外の美術館やカタログの調査ならびにデータの格納に力を注いだ。特に夏休みを利用して訪問した米国メトロポリタン美術館とニューヨーク市立図書館では、新たなデータを得ることができた。
本年のテーマは、浄瑠璃詞章と長せりふに関連する浮世絵の調査で、以下のような研究成果を得た。長せりふのある浮世絵の上限は宝永11年(1761)の奥村政信画「丈売りのせりふ」で、下限は宝暦11年(1761)の鳥居清信画「吉原家名枕紋づくしのせりふ」、浄瑠璃詞章のある浮世絵の上限は享保8年(1723)の鳥居清信画「突出し紋日帯引男結」、下限は宝暦7年(1757)の鳥居清広画「鳥さし浮流朝比奈」であった。初期浮世絵の範囲内での合計は87図で、絵師は、鳥居派の清信、清倍、清朝、清広、奥村派の政信、利信らであった。実は、画面に浄瑠璃詞章や長せりふが記されていない浮盤絵でも、薄物正本やせりふ本と比較してみると、浄瑠璃所作事や長せりふを述べている歌舞伎の場面であることが判明した。改めて浮世絵を見直すと、三味線の音や役者の声を連想させるような構図で描かれている。
浮世絵は単なる取り合わせの絵ではなく、伝えたい惰報を用意している絵と思われる。さまざまな情報を関連づけることによって、新たな絵の読みが可能となるだろう。来年度は更なるデータベースの拡充を目指したい。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2014-06-10  

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