研究分担者 |
大野 紀代子 法政大学, 文学部, 教授 (40222682)
坂本 勝 法政大学, 文学部, 教授 (40267323)
小秋元 段 法政大学, 文学部, 准教授 (30281554)
日暮 聖 法政大学, 文学部, 教授 (60257087)
勝又 浩 法政大学, 文学部, 教授 (90161083)
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研究概要 |
本年度は,歴史社会学派の主に戦前の動向について,個々の研究者の代表的業績を検討する作業を行った。すなわち,近藤忠義・小田切秀雄・西郷信綱などの著作を取り上げ,研究会における発表・討論を通じて彼らが日本文学研究の発展にいかに寄与したか,その方法の革新性とは奈辺にあったかを明らかにした。これらの成果も,随時各研究機関の紀要等に発表されていく予定である。あわせて,歴史社会学派年表の製作も徐々に進めている。 また,人物研究の一環として,当時を知る人々による講演・聞き書きを行った。まず「近藤忠義を偲ぶ会」との共催による研究・講演会では山下宏明に永積安明の研究姿勢について,伊豆利彦氏には発足当初の日本文学協会(歴史社会学派の戦後における主な活動の場となった)について,講演をいただいた。また,島本昌一氏には近藤忠義に関して,野村精一氏には益田勝実が中心となって関わった同人研究誌「日本文学史研究」に関して,それぞれ聞き書きをとることができた。このうち前者は「近藤忠義を偲ぶ会」との共著・共編による「近藤忠義・人と学問」(2008年5月刊行予定)に講演記録として掲載される。後者については,今年度末の研究報告書に所載の予定である。 重要貴重資料のデータベース化については,「国文学新報」(全18号,欠号3)および「国文学誌要」(全18号)「文豪」(1号)など,戦前の日本文学研究に大きな寄与をなしたにもかかわらず,これまで原本の希少さ等の理由で閲覧が困難であった資料のデータベース化を行った。 発表された成果としては,衣笠正晃「国文学者・久松潜一の出発点をめぐって」(「言語と文化」第5号・法政大学言語・文化センター),また前述刊行予定の「近藤忠義・人と学問」(近藤忠義先生を偲ぶ会・歴史社会学派研究会編著)がある。
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