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2007 年度 実績報告書

アジア文化との比較に見る日本の「私小説」-アジア諸言語、英語との翻訳比較を契機に

研究課題

研究課題/領域番号 18520138
研究機関法政大学

研究代表者

勝又 浩  法政大学, 文学部, 教授 (90161083)

キーワード近代文学 / 私小説 / 文化比較 / 翻訳 / 国際研究者交流 中国:韓国:台湾
研究概要

研究実施期間の最終年度である本年度は,昨年度実施した「私小説」の認知状況の調査から得た課題の検討,下準備をすすめた「私小説」作品翻訳比較,文学伝統,風土・社会構造からの比較など,研究の取りまとめに向かった。実質的には,夏にワークショップ,春と冬に研究集会,合計6回の勉強会を開催し,これらの内容報告については,昨年から引き続き本研究課題ウェブサイト(http://www.i-novel-hosei.org/kaken.htm)にて公開している。「私小説」の認知状況の調査は,台湾の調査結果の取りまとめを行い,調査結果から得た課題について具体的作品の検討を行った。中国,韓国,台湾それぞれの地域における,日本の近代文学の直接的影響が見られる近代の「私小説」的作品,それとの関係が明確でない現代の「私小説」的作品をそれぞれ分析し,その結果,各地域に共通してみられる現代の「個人化」の傾向は,近代の「私小説」的作品の影響よりも,時代や社会,ツールの変化,既成の文学に対する反動による面が大きいことが分かった。翻訳比較においては,志賀直哉「城の崎にて」をテキストに,中国語訳,韓国語訳のテキストを再和訳し全体の比較検討を行った。「城の崎にて」1作からは,例えば韓国語訳においては,「自分」という主語の削除,文末の曖昧表現の断定化,過去時制の増加など,作品のテーマに関わる文章上の問題が見受けられ,今後「私小説」と日本語の問題を考える上での指針となった。また,海外の「私小説」研究書として,昨年の中国語の研究書に引き続き,韓国語による研究書・安英姫『日本の私小説』の全訳の完成,英語による研究書E・ファウラー『告白のレトリック-20世紀初期の日本の私小説』の「序論私小説における現象と表象」の翻訳を行った。また,これまでの研究成果をまとめた「研究成果報告書」を作成した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「私小説」というイデオロギー2008

    • 著者名/発表者名
      尹 相仁
    • 雑誌名

      「私小説研究」 9

      ページ: 4-11

  • [雑誌論文] 解放後の韓国の私小説2008

    • 著者名/発表者名
      姜宇 源庸
    • 雑誌名

      「私小説研究」 9

      ページ: 12-17

  • [雑誌論文] アジアの中の私小説2008

    • 著者名/発表者名
      勝又 浩
    • 雑誌名

      「私小説研究」 9

      ページ: 18-24

  • [学会発表] 台湾における日本文学の受容と研究の現状2008

    • 著者名/発表者名
      李 文茹
    • 学会等名
      東アジア文化研究会
    • 発表場所
      法政大学・国際日本学研究所
    • 年月日
      2008-01-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.i-novel-hosei.org/kaken.htm

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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