1.研究出張(資料調査・閲覧) (1)7月、柿衛文庫で野々口立圃関係の資料を閲覧。また藪本家の貞徳・立圃・西鶴・芭蕉などの自筆資料約30点を調査した。 (2)8月、同志社大学日文研究室で神谷勝弘教授所蔵の惟中などの短冊を調査した。 (3)9月、天理大学附属天理図書館で『本哥取絵入百人一句』の編者山口清勝の関連俳書『清水千句』を閲覧した。 2.資料の購入 立圃関係の資料(1)「国土皆」自画賛1軸、(2)『十八番花月発句会』(模本)1巻の2点を購入した。他に忠知・鬼貫・也有などの短冊を購入した。 3.研究発表・講演 10月、俳文学会全国大会(於奈良大学)で、「『本哥取絵入百人一句』をめぐって」と題して研究発表を行った。また4月、柿衛文庫で「俳諧資料と私のコレクション」と題して講演を行った。 4.展覧会の開催 4月15日から6月4日まで柿衛文庫で「雲英文庫に見る芭蕉・蕪村・一茶と新しい領域」展を開催した。本研究課題に添って貞門時代から近代までの俳画・絵俳書・俳諧枚摺など371点を展示した。図録を作成し、また講演や講座に講師として出講した。 5.研究業績の発表 『芸術新潮』6月号の特集『芭蕉から蕪村へ俳画は遊ぶ』で、室町時代の宗鑑から江戸幕末期までの俳画について解説を加えた。また、坪内稔典氏と「俳画今昔」と題して対談を行った。その他、本研究課題目に添った研究では、蕪村の俳画のきわめてユニ一クな点を指摘した「蕪村と俳画」、絵俳書として貴重な『両兎林』の翻刻・影印、俳人の短冊を図版で紹介した「近世俳人短冊逍遥」の12回分などを別紙のごとく行った。 以上、ご報告致します。 平成19年4月1日
|