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2006 年度 実績報告書

16世紀ー18世紀イギリスにおける蒐集文化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520168
研究種目

基盤研究(C)

研究機関筑波大学

研究代表者

吉原 ゆかり  筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 助教授 (70249621)

キーワード英米文学 / 文学一般 / 蒐集文化 / 16世紀 / 17世紀 / 18世紀 / 東アジア / 旅行記
研究概要

本年度は、活字資料の収集・整理(一次資料)、とくに、18世紀イギリスにおける蒐集文化に関する資料収集・整理に力をそそいだ。7月オーストラリアで開催された国際シェイクスピア学会で関連主題についで口頭発表を行うとともに、本研究課題に関係する国際的研究ネットワークの基礎を固めた。国内在住の研究者で、当該課題、とくにそれと旅行記の関連に関心を持つ研究者と意見交換を行った。蒐集文化が他文化地域との交流と深く関係するものであるため、旅行記研究と当該課題を連結させることが、必須の課題であることがあきらかになった。16世紀については、イギリス自国の過去の文物蒐集と国家意識の形成、17世紀については共和革命期を大陸で過ごした人物たち(とくにアランデル公爵周辺の人物)が蒐集行為に果たした役割、18世紀については、コーヒー・ハウス文化と蒐集行為の関連の研究に重点をおいた。従来、蒐集文化研究は、文化的・政治的に優位にたつイギリスが、他文化の文化蒐集・収奪を行ったものとされる傾向があった。本研究により、西洋と非西洋を単純な二項対立の図式でとらえる枠組みでは、とらえきれない問題が数多いことがあきらかになった。たとえば、18世紀当時において、政治的・文化的にイギリスよりはるかに優位であった、オスマン・.トルコや中国で、イギリス人が行った文化蒐集を、単純な二項対立の図式で理解することは難しい。蒐集文化研究には、より多様で柔軟な思考方法を必要とする。とくに、中国や日本などの東アジア地域とイギリスの文化交流は近年・従来の研究とは様相を新たにした目覚しい進展をとげており、本研究をそのような学問的発展と関連づけることができたことは、本年度の大きな成果である。また、大学院生教育指導を兼ねて、大学院生を情報・資料整理に積極的に雇用し、六学院生教育の面からも、当課題執行のうえからも、大きな成果を得た。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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