本年度は研究目的に従い、以下の研究を行った。 1)中世フランス語版『金持ちとラザロ』の校訂版作成の作業を続行し、音声学的・形態論的な視点からの研究を行うと同時に、注目すべき単語・表現の収集を続行した。 2)各種辞書・言語地図を活用し、収集した語彙の歴史的・地理的な意義を明らかにした。 3)関連する中世フランス語・ラテン語作品の収集を続け、校訂版の批判的検討を行った。 4)トゥールーズ大学で行われた国際学会(Savoirs de femmes dans l'Europe de la fin du Moyen Age et du debut des temps modernes)に出席し、Sur certains regionalismes dans les Evangies des quenouillesと題する発表を行った。 5)インスブルック・レオポルド・フランツェンス大学に出張し、中世フランス語版『金持ちとラザロ』の校訂版に関連する諸問題をマリア・イリエスク教授と検討した。
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