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2007 年度 実績報告書

「部屋」のトポス-ローベルト・ムージルと崩壊期のハプスブルク帝国の文化

研究課題

研究課題/領域番号 18520178
研究機関東京学芸大学

研究代表者

赤司 英一郎  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80222511)

キーワード独文学 / 独文化
研究概要

平成19年度には、主に以下の五つのことを行った。
(1)崩壊期のハプスブルク帝国の文学(ムージル、カフカ、ブロッホなど)において表象されている「部屋」について調査する一方で、オットー・ヴァーグナーやアドルフ・ロースなどの建築家によって実際に建築された建物のなかの「部屋」についての文献を渉猟した。
(2)グスタフ・クリムトとエゴン・シーレの絵画における「私」という主体についての研究を、「グスタフ・クリムトとエゴン・シーレのあいだ-ハプスブルク帝国の崩壊期における<他者>」という論文にまとめ、同僚2名と共に編集出版した『多言語・多文化社会へのまなざし-新しい共生への視点と教育』(白帝社)において発表した。
(3)崩壊期のハプスブルク帝国の文化の歴史的変遷を、アメリカの文化史家カール・E・ショースキーの研究を基礎にして、大きく三つの時期に分類することを試みた。リンクシュトラーセの時代=擬古典主義の「通り」の時代、分離派の時代=合理的装飾の「建物」の時代、ポスト分離派の時代=個人と他者の関係性が問題となる「室内」の時代の三つである。この研究成果は、平成19年12月の世界文学会で口頭発表した。
(4)伊勢神宮などの神社建築、三十三間堂や竜安寺などの寺院建築、京都御所や二条城などの歴史的建築物における建物と「部屋」を実地調査することで、日本におけるに「部屋」の基本的観念についての理解を深めた。
(5)平成20年2月に出版された『クラウン独和辞典 第4版』(三省堂)の改訂作業においては、固有名詞を担当し、ハプスブルク帝国に関する研究の一部をその記述に取り入れた。さらに、ローベルト・ムージルに関しては、現在、カール・コリーノ著『ローベルト・ムージルの伝記』(法政大学出版局)を共同翻訳中であり、平成20年度中にはその第一分冊(全体で三冊になる)を出版する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] ウィーンとドイツ文学2007

    • 著者名/発表者名
      赤司英一郎
    • 学会等名
      世界文学会
    • 発表場所
      青学会館
    • 年月日
      2007-12-25
  • [図書] 多言語・多文化社会へのまなざし-新しい共生への視点と教育-2008

    • 著者名/発表者名
      赤司英一郎 (共編著)
    • 総ページ数
      113-130
    • 出版者
      白帝社
  • [図書] クラウン独和辞典 第4版 CD付き2008

    • 著者名/発表者名
      赤司英一郎 (共編著)
    • 総ページ数
      1858
    • 出版者
      三省堂

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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