• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

「部屋」のトポス - ローベルト・ムージルと崩壊期のハプスブルク帝国の文化

研究課題

研究課題/領域番号 18520178
研究機関東京学芸大学

研究代表者

赤司 英一郎  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80222511)

キーワード独文学 / 独文化
研究概要

平成20年度から、オーストリア文学研究会の学会誌編集長を務めることになり、その編集作業に多くの時間を取られたが、以下の活動を行なった。
1. 崩壊期のハプスブルク帝国における精神状況と人間関係のあり方を、〈リングシュトラーセの時代〉〈分離派の時代〉〈ポスト分離派の時代〉の三つに区分することを昨年度構想したが、その三つの時代の特徴をシュニッツラーの『アナトール』、『輪舞』、『夢小説』に則して具体的に検討し、その成果を世界文学会の会誌に発表した。
2. ウィーンで文献調査及び実地調査を行った。オットー・ヴァーグナー、アドルフ・ロースの建築物や、現在ブルガリア文化会館として使われている、ヴィトゲンシュタイン設計の建築物の内部を詳しく調査することができた。また、ムージルの戯曲を実際に舞台にのせるときに使われた古い台本等を入手した。
3. これまで中央大学教授早坂七緒氏らと共に翻訳に取り組んできたカール・コリーノ氏の大著『ムージル伝記』 (三分冊で出版予定)の第一分冊の出版にこぎつけた。
4. アドルフ・ロースの建築思想をオットー・ヴァーグナーの建築思想と比較し、ロースに関する本邦未訳の三冊の研究書からの抜粋を翻訳し、ロースについての考察を深めた。
5. ドイツ語圏以外の文学作品(ポオ、ドストエフスキー、イプセン、古井由吉等)における〈部屋〉の表象について調査し、それをムージルの〈部屋〉と連関づける試みを行なった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 冬ソナとトニオ・クレーゲル2009

    • 著者名/発表者名
      赤司英一郎
    • 雑誌名

      ラテルネ 第101号

      ページ: 21-23

  • [雑誌論文] 都市ウィーンとアドルフ・ロース2009

    • 著者名/発表者名
      赤司英一郎
    • 雑誌名

      多文化的空間としての都市-多文化教育の教材として- 平成20年度東京学芸大学重点研究費研究報告書

      ページ: 45-74

  • [雑誌論文] 崩壊期のハプスブルク帝国の首都ウィーンにおける関係性の変遷について-シュニッツラーの三つの作品に照らして-2008

    • 著者名/発表者名
      赤司英一郎
    • 雑誌名

      世界文学 (編集・発行 世界文学会) 第108号

      ページ: 7-18

    • 査読あり
  • [図書] ムージル伝記 12009

    • 著者名/発表者名
      カール・コリーノ著 早坂七緒, 北島玲子, 赤司英一郎, 堀田真紀子, 渡辺幸子訳
    • 総ページ数
      339-430
    • 出版者
      法政大学出版局

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi