• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

モダニズム芸術における米ソ文化交流の軌跡と黒人知識人の中心性

研究課題

研究課題/領域番号 18520180
研究機関立教大学

研究代表者

新田 啓子  立教大学, 文学部, 准教授 (40323737)

キーワードアメリカ合衆国 / ソヴィエト連邦 / ロシア・アヴァンギャルド / モダニズム / 国民意識 / ラングストン・ヒューズ / カール・ヴァンヴェクテン / V.F.カルヴァートン
研究概要

今年度はまず前半に,18年度に収集・分析してきた資料の分析をさらに進めた。まず,ロシア・アヴァンギャルドの美学と政治学についての研究書や一次資料を入手・検証し,美学および美術史に関する知見を深める基礎的研究を並行しつつ,アメリカ黒人美学や国民化に対する意識との接点を考察した。これに関しては,当初マイクロフィルムでしか手に入らない予定であった史料が米国議会図書館よりインターネット文書の形で公開されたため,それらも活用しながら,米国モダニズム芸術における黒人作家の役割と,米ソ文化交流における黒人知識人の中心性に関する概念構築を行った。
年度後半には,前半の書誌研究を継続するとともに,昨年度に展望の開かれた,本研究の比較学的方向性を模索するための研究会や討議を行うべく,沖縄(11月),米国シカゴ市(12-1月)に出張した。沖縄では,「沖縄文学」と「黒人文学」に関する理論的討議を行った。シカゴでは,モダニズムの尖端的研究と人種という視軸について米国人研究者と意見を交換し,本研究に対する外部評価を得た。さらに3月には,米国ワシントンDCへ出張し,黒人美術に関する学会に参加するとともに,国立公文書館にて,黒人知識人の渡欧(特にソ連)を当時のアメリカ政府がいかに認識していたかを調査し,特に1930年代,多くの外交文書が残されていることを確認し,それを閲覧・収集した。それらの外交文書は,Carl Van VechtenとV.F.Calvertonなど,黒人芸術に対する理解も深く,ロシア文化観を積極的に活字にしていた批評家の残した言説と,対照的な内容を持つ。このことは,反共政策と芸術活動の監視の,30年代における跋扈を裏づけるものである。今年度はこうした実績を踏まえ,国籍離脱した文学者・知識人の人種観念に関する論考,ならびにアメリカの反共政策の文化的影響力に関する論考を,執筆・発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「アメリカ解読-資料探訪 Henry James,The American Scene(1907)」2008

    • 著者名/発表者名
      新田 啓子
    • 雑誌名

      「英語青年」 154巻1号

      ページ: 42-45

  • [学会発表] 「ゼロ度の社会意識と批判性」2007

    • 著者名/発表者名
      新田 啓子
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会東京支部会
    • 発表場所
      慶鷹義塾大学
    • 年月日
      2007-06-29
  • [図書] 欲望・暴力のレジーム揺らぐ表象/格闘する理論2008

    • 著者名/発表者名
      竹村 和子 編著(執筆者計19名)
    • 総ページ数
      258
    • 出版者
      作品社

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi