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2006 年度 実績報告書

古代ギリシア・ローマ喜劇と狂言の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520194
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

中務 哲郎  京都大学, 文学研究科, 教授 (50093282)

研究分担者 高橋 宏幸  京都大学, 文学研究科, 教授 (30188049)
キーワードアリストパネス / メナンドロス / プラウトゥス / テレンティウス / 狂言
研究概要

本研究は、時代も地域も遠く隔たる古代ギリシア・ローマ喜劇と日本の代表的な喜劇である狂言を比較考察することによって、伝存作品の少ないギリシア・ローマ喜劇に新たな光をあてることを目的とするが、初年度はギリシアと日本を含む世界的な視野から、喜劇を生み出した民俗的、宗教的、社会的、文芸的背景を検討することによりギリシア喜劇の起源についても考察した。中務はまた20人程の研究者を組織してギリシア喜劇の現存作品と断片の精髄を翻訳・注解する作業を進めてきたが、これにより、従来アリストパネスの現存11篇、メナンドロスの4、5篇によってしか知られていなかったギリシア喜劇の多彩な特質と他の文芸ジャンルとの密接な影響関係が把握しやすくなった。中務個人としては、メナンドロス断片の研究により、メナンドロス喜劇の特質、とりわけ言葉の技巧を解明することに努めた。ただ、断片研究を主に行ったため、メナンドロス劇の構成や所作について狂言と比較するには至らなかった。
高橋は狂言に現れる「嬲る」「化ける」というモチーフを取り上げ、これをローマ喜劇と比較するポイントとして検討した。これはプラウトゥスなどに見られる「芝居」あるいは「演じる」ということについての自覚的な表現が狂言にも見られるか否かという視点にもとづくもので、類型的な人物造形や常套的な劇の筋についてそれ自体を喜劇の題材とする手法は洗練度の高いものと考えられているが、そうした要素が狂言にも認められるとすれば、むしろ、いわゆるメタ演劇と呼ばれるような特質は喜劇に本質的なものであるかも知れない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 虚構とリアリティーの閾2007

    • 著者名/発表者名
      中務哲郎
    • 雑誌名

      「文学」隔月刊(岩波書店) 8・1

      ページ: 208-209

  • [雑誌論文] 古代ギリシア人の世界意識と歴史記述2007

    • 著者名/発表者名
      中務哲郎
    • 雑誌名

      グローバル化時代の人文学(上)(京都大学文学部百周年記念論文集)

      ページ: 149-170

  • [雑誌論文] Classical Tradition : a continuum from here to eternity2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Takahashi
    • 雑誌名

      Kyoto-Cambridge a International Symposium. Integrating the Humanities : the Roles of Classics and Philosophy. The Graduate of Letters, Kyoto University

      ページ: 29-38

  • [雑誌論文] ペリアンドロスの物語2006

    • 著者名/発表者名
      中務哲郎
    • 雑誌名

      平成15〜17年度科研費研究成果報告書

      ページ: 1-15

  • [雑誌論文] 松平千秋先生の文業2006

    • 著者名/発表者名
      中務哲郎
    • 雑誌名

      流域(青山社) 59

      ページ: 5-12

  • [雑誌論文] アケローオスのもてなしと物語-オウィディウス『変身物語』8.549-9.972006

    • 著者名/発表者名
      高橋宏幸
    • 雑誌名

      平成15〜17年度科研費研究成果報告書

      ページ: 16-48

  • [図書] キケロー書簡集2006

    • 著者名/発表者名
      高橋宏幸
    • 総ページ数
      578
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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