研究概要 |
2007(平成19年)はレイチェル・カーソン生誕100年にあたり、これを記念して上岡・上遠・原による共編蓍『レイチェレ・カーソン』(ミネルヴァ書房)を出版した。この中で第3章「レイチェル・カーソンと緑の文学」を担当し,カーソンの文学的評価は、人間と自然・環境をめぐる文学、いわゆるネイチャーライディングや環境文学と称される文学ジャンルの発展によるところが大きいことを指摘し、カーソン自身もこのアメリカの緑の文学的伝統に確固とした存在感を持っていることを位置づけた。2008年2月に開催された出版記念シンポジウムでは、一般聴衆を対象にカーソンの文学的位置づけを行った。 またカーソンとアメリカの優れたネイチャーライターであるヘンリー・ベストンとの比較を試みた論文「カーソンが愛した作家ヘンリー・ベストン」(国際社会文化研究、第8号)を発表し、カーソンと他の作家との比較研究という、まだ未開拓分野の研究を行った。 その他地域社会への貢献として、3回の講演、「ジョセブ・コーネルとアメリカの緑の伝統」、「レイチェル・カーソン生誕100年-環境文学の視座から」、「宇宙船地球号の未来」を行うと共に、カーソンの原点にあたるアメリカの超越主義運動やへンリー・ソローを扱った共編著『環境倫理の新展開』(ナカニシヤ出版)も出版した。
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