研究課題/領域番号 |
18520216
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大島 久雄 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80203769)
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研究分担者 |
勝山 貴之 同志社大学, 文学部, 教授 (30204449)
古屋 靖二 西南学院大学, 文学部, 教授 (50069712)
中村 未樹 大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (00324872)
高森 暁子 筑紫女学園大学, 文学部, 文学部 (40341531)
道行 千枝 福岡女学院大学, 人文学部, 文学部 (30331903)
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キーワード | シェイクスピア / 『テンペスト』 / 受容 / インターテキスチュアリティ / 言説 / 改作・翻案 / 植民地主義 / フェミニズム |
研究概要 |
前年度に行った研究の成果を踏まえつつ、『テンペスト』受容におけるテキストと言説の関係に焦点をあて、多様な時代や地域における『テンペスト』受容のケーススタディを行った。昨年度に引き続き、大島は、ジェームズ朝から王政復古期にかけての『テンペスト』受容を中心にインターテキスチュアリティに関する理論的研究と特に国際性と地域性を重視したケーススタディ、勝山は、植民者と原住民の人間的関係を中心に労働・植民地言説、古屋はキャラクター論の観点から所有・支配言説、高森はフェミニズム批評の観点から歴史・記憶言説と衣服を中心とする階級言説、道行は文化史的な視点から『テンペスト』におけるモンスター・異常出産言説、今年度より新規参加の中村は、『万人』や『スペインの悲劇』に遡るメタシアターの伝統を踏まえて『テンペスト』におけるメタシアター言説、に焦点を当てた研究を行った。これらの研究において明らかになったことは、インターテキスチュアリティを単に作品とソースとのテキスト間の関係性と捉えるだけでは不十分であり、テキスト(作品・ソース)とそれが受容される時代・社会における言説との複雑な相互作用としてのインターテキスチュアリティの中で多様な独自の受容が成立するということであり、シェイクスピアの劇団がこの劇を演じた当時を含めて、様々な時代や社会における『テンペスト』受容の多様性と独自性は、近年、ますます国際化の度合いを強めるシェイクスピア受容におけるインターテキスチュアリティの重要性を端的に示している。 具体的成果としては、現代日本における受容例として、The 7th Triennial Shakespeare Congress of the Shakespeare Society of Southern Africa (2007.6.24-27:Rhodes University,Grahamstown)において受容・インターテキスチュアリティ研究の理論的成果を踏まえ『ニナガワ・テンペスト』における日本の歴史・文化・地域性を活かした蜷川演出に関する研究発表を行い、映画『プロスペロの本』における西洋書籍文化オマージュ的メディア論的受容について単著論文(2008.3.31)にまとめた[大島]。九州シェイクスピア研究会の昨年度の本研究関速研究発表・セミナー概要が、『九州シェイクスピア研究会会報』第9号(2007.10.1)に掲載された(pp.1、6、10、11、14)[金員]。第46回シェイクスピア学会(2007.10.6-7:早稲田大学)では、高森が「『テンペスト』における衣服」という題目で、大島が、同学会セミナー「『アントニーとクレオパトラ』を読む」において「『アントニーとクレオパトラ』における時間観と歴史意識に関するインターテキスチュアリティ」という題目で研究発表を行った。東京ミッドタウン主催「Tokyo Midtown DESIGNTOUCH」において研究成果社会還元のため一般市民対象公開講座「都市と演劇文化:シェイクスピアと歌舞伎に見るデザイン」を行った[大島]。本研究の総括として、共同研究者全員の研究成果をまとめた論文集兼報告書を作成し(2008.3.31)国内外シェイクスピア研究関連研究機関・研究者への配布を予定している。
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