研究概要 |
"Orientalism"という用語は、エドワード・サイードがすでに指摘しているように英米語でニュアンスが違うのだが、1)ヨーロッパにおける極東、特に日本文化の受容及び日本におけるジョイス文学の受容、2)ヨーロッパにおける反ユダヤ主義について考察している。 平成19年度は、「ジョイスとオリエンタリズム」というテーマにおいて、7月中旬にアイルランド共和国ダブリン市内のUniversity Colege Dublinで開催されたIASIL2007:"Varieties ofIrishness" (International Association for the Study of Irish Literatures[IASIL]主催)で学会発表を行った。発表題目は、"Diaspora Jews in Joyce's Dublin:Irish Jewish Lives Described in Ulysses"である。学会終了後、University College Dublin、National Library of Ireland、The Irish Jewish Museumなど、ダブリンの研究機関等でユダヤ関係の資料収集をした。特に20世紀初頭の東欧からのユダヤ系移民とアイルランドにおける彼らの生活の実態について、多くの資料を入手した。 また、東京の関東ジョイス研究会、京都の関西ジョイス研究会に赴き、研究交流を深めた。反ユダヤ主義に関する2つの論文、"'And I belong to a race that is hated and persecuted':Anti-Semitism in Ulysses"と"Diaspora Jews in Joyce's Dublin:Irish Jewish Lives Described in Ulysses"をまとめて、それぞれ『リベラル・アーツ』(岩手県立大学共通教育センター刊)と『総合政策』(岩手県立大学総合政策学会)に掲載した。 当該研究成果として拙論が掲載された刊行物は以下の通り: 1.A Companion to James Joyce(Blackwell Publishing, Inc.,2008)(Richard Brown, ed.)(共著:Chapter12担当:詳細は平成18年度報告書を参照) 2.『リベラル・アーツ』(岩手県立大学 共通教育センター)第2号(2008年1月) 3.『総合政策』(岩手県立大学 総合政策学会)第9巻第2号(2008年3月)
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