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2007 年度 実績報告書

1900年世紀転換期ウィーンのスキャンダル-文化の葛藤対立理論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520225
研究機関首都大学東京

研究代表者

WALTER Ruprechter  首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50254123)

研究分担者 黒子 康弘  首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (50305398)
キーワードウイーン / スキャンダル / メディア論 / スピーチアクト / ディスクルス / エコノミー / テクノロジー / スローターダイク
研究概要

ウイーン世紀転換期には、たくさんのスキャンダルがあった。このスキャンダルをそれぞれ具体的に分析して研究することと、文化同士の闘いの様子を記述するための一般的な理論を導くことが、本研究の目的であった。昨年度は、主に個々のスキャンダルの検討と比較を行い、理論的研究の見通しを立てた。本年度はそれに従い、政治的・経済的スキャンダルと文化的スキャンダルの相違点、文化的生産物をめぐる対決の諸形式、スキャンダル的対決と論争による対決の違いなどを検討した。このことはオーストリアとドイツのディスクルス形成のあり方を区別する指標である。そして、文化的スキャンダルが、美学的・政治的・経済的・道徳的・イデオロギー的ディスクルスの交差であることに確信を強めた。またスキャンダルが、現代においては、何よりもメディア的・技術的現象であること、それゆえスキャンダルは時代時代のメディア的・技術的コンステレーションを明るみに出すこともわかった。この点に関して、黒子がスローターダイク論争を手がかりに論文に纏めた。こうして、文化的スキャンダルが時代時代のメディア的・技術的布置を色濃く映し出す、美学的・政治的・経済的・道徳的・イデオロギー的なディスクルスの交差点を指し示す、いわゆるメタレベルのディスクルス現象・装置であることが明らかになった。本研究によって、現代の社会的コンフリクトに対するより良い理解へ応用するための基礎的作業を完了できたと考える。今後、ヨーロッパ各地で問題となっている文化葛藤対立、移民問題、そのなかで生まれる新しい芸術・文化・ディスクルスをより精緻により的確に分析できるような、理論的枠組みと経験を獲得できたことが、本研究の最大の意義である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] フマニスムスの罪と罰-スローターダイクにおける書字性の悪の根源-2008

    • 著者名/発表者名
      黒子 康弘
    • 雑誌名

      ドイツ文学 136号

      ページ: 157-178

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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