研究概要 |
本研究は「英語圏児童文学」という視座から、英語で書かれた児童文学全体の再評価を試みるための第一歩としてカナダ・オーストラリア児童文学の比較研究を行うものである。 1.研究協力者である姫路猫協大学の牟田おりゑ教授と自然保護思想、都市化と自然保護、19世紀以降の加豪児童文学に見うれるキリスト教的自然観に対する反省と警鐘などのテーマを中心に両国の児童文学の比較研究及び情報の交換を行った。 2.データベースの作成と分析を行った。 1.カナダ:The Selected Journals of L.M. Montgomery(1921-29),1992. Canadian Crusoes, 1852. Snowflakes and Sunbeams, 1856. 2.オーストラリア: A Boy's Adventures in the Wilds of Australia, 1854. Dot and the Kangaroo, 1899. 作成したテキスト・データベースを用いて、自然描写に使用されている語彙の比較分析を通し、建国期のオーストラリアやカナダにおける、イギリス人とオーストラリア人やカナダ人作家による自然描写の違いを明らかにし、彼らの自然観を考察した。 3.カナダ大使館、適手門学院大学オーストラリア・ライブラリー、国際子ども図書館などを利用して、英語圏児童文学に関する調査・研究及び資料の収集を行った。研究成果の一部は『赤毛のアン』(ミネルヴァ書房、2008.6)にまとめた。さらに、インド及びニュージーランドの児童文学に関して、京都女子大学図書館、ユネスコアジア文化センター等を利用し、資料の収集を行った。
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