研究代表者は「英語圏児童文学」という視座から、英語で書かれた児童文学全体の再評価が不可欠であると考え、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、パキスタン、スリランカ、マレーシア、シンガポール、アフリカ、カリブ海域、西インド諸島などにおける児童文学の調査・研究を将来にわたって順次行いたいと考えている。本研究では、特にカナダとオーストラリアの児童文学を「自然観」と「異文化受容」という二つの視点から比較対照することにより、等しくイギリス植民地として出発し、共通の母語をもつ両国が、なぜ、また、どのようにしてそれぞれ独自の児童文学を発展させていったのかを明らかにしたい。さらに、ニュージーランドとインドの児童文学についても準備的研究を開始したいと考えている。
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