研究課題/領域番号 |
18520235
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
堀 真理子 青山学院大学, 経済学部, 教授 (50190228)
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研究分担者 |
佐藤 亨 青山学院大学, 文学部, 教授 (40245337)
外岡 尚美 青山学院大学, 文学部, 教授 (10227605)
伊達 直之 青山学院大学, 文学部, 准教授 (30316880)
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キーワード | 英米文学 / 美学 / ギリシア悲劇 |
研究概要 |
本年度は5回の 研究会を実施した。第1回めは米国オハイオ州ケント大学准教授倉橋祐子氏を講師として迎え、アメリカの現代家たちによるギリシア悲劇・神話の翻案作品にみられる翻案の意義、とくに非白人作家が提示する社会的抑圧への敏感な批判精神や文化的歴史認識、言語を超えた身体表現などについて議論し合った。その後、本プロジェクトに所属する各研究者が4回にわたって各自の研究報告をした。 また各自が国内外の学会で研究成果を発表したり、資料収集をしたりした。佐藤は8月にアテネに出張し、劇場跡や考古学博物館等でギリジア劇の背景を調査した。10月にはIASIL Japan年次大会で、シェイマス・ヒーニーの『アンティゴネー』と『テーベの埋葬』を取り上げ、北アイルランド紛争とヒーニーのギリシア劇翻訳との相互関係について発表した。伊達は10月のエズラ・パウンド協会全国大会でモダニズム美学の一面を支える地域的要素と身体性についてのシンポジウムを開き、12月の英詩研究会「オベロン会」ではイェイツ詩劇の土着的想像力の活用と能理論の摂取との関係について口頭発表を行なった。外岡は3月にニューヨークで同時多発テロ以降の〈悲劇〉を描く演劇について、関連資料の収集を行なった。また演劇と都市空間の関係についての論文を執筆した(日本アメリカ学会のThe Japanese Journal of American Studies 19号に掲載予定)。堀は12月にシカゴで開催されたMLA年次大会で、アドルノやアガンベンなどの議論をふまえ、ベケット以降の作家たちが提示する戦争の記憶と証言の問題について論じた。 本年度は各自が集めた研究資料や文献を整理するため、データベースを作成した。ただしギリシア悲劇全般に関わる資料は膨大なので、『オイディプス』(コロヌスのオイディプスを含む)、『ピロクテーテス』、『アンティゴネー』、『メデイア』に絞ることにした。
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