研究分担者 |
春木 孝子 神戸松蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (80228668)
谷川 冬二 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (50163621)
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 教授 (80123488)
池田 寛子 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (90336917)
菱川 英一 神戸大学, 文学部, 教授 (80165109)
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研究概要 |
1アイルランド語詩歌のうち,主として17世紀以降の強勢詩の構造について研究を進めた。句を中心とする組立てや,バラッド詩歌におけるアイルランド語版の特性を総合的に検証・考察した。 2ブライアン・メリマンのCuirt an Mheon-Oicheを読み,それに関する研究を行った。特にアシュリングという詩のジャンルについて,その起源とメリマンのパロディー化を研究した。 3昨年に引き続き16,17世紀イングランドのアイルランド政策に関わる初期近代の思想とその文学的表象について研究。今年度はチャールズ2世下,アイルランド総督を勤めたエセックス伯アーサー・ケイペルを中心に研究した。 4W.B.イェイツの『真夜中の法廷』序文を熟読し,フランク・オコナーの『真夜中の法廷』英訳を原文と対照させながら検討した。オコナーとイェイツがたいへん親しい間柄にあり,オコナーのアイルランド語文学の翻訳にイェイツが訳語の面で協力したことは知られる。オコナーはイェイツの死後に『真夜中の法廷』翻訳を始め,イェイツの影響は否定している。結果としてオコナー訳は,イェイツの『真夜中の法廷』に対する考え方にあえて抗ったようなところがあると同時に,オコナー自身のイェイツ観やイェイツから受けた影響が,奇抜な翻訳の端々に垣間見られることが分析により明らかになった。
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