研究課題/領域番号 |
18520238
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
梨本 邦直 法政大学, 工学部, 教授 (30340748)
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研究分担者 |
池田 寛子 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (90336917)
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キーワード | アイルランド語強勢詩 / W.B. Yeats / 国際研究者交流 / アイルランド / アシュリング / Nuala Ni Dhomhnaill / バラッド / ナショナリズム |
研究概要 |
1ブライアン・メリマンの18世紀末の詩「真夜中の法廷」について、最も優れた研究者であるリーアム・P・オムルフー氏(Liam P. O Murchuアイルランド・コーク大学、現代アイルランド文学)を招聘し、二日間にわたってセミナーを行った。セミナーはテクスト上の疑問点だけでなく、背景上の疑問点も解決していく形で、延べ10時間以上にわたって行われ、その難解なテクストと18世紀の詩の背景に対する理解を深め、研究を前進させることができた。 2また、もうひとりの招待講演者であるリーアム・オドハティ氏(Liam O Dochartaighアイルランド・リムリック大学、メリマン協会議長)の講義では、フォークロアに見られる伝統と理性の対立の問題が論じられ、研究テーマ「真夜中の法廷」の分析に重要な視点を提供した。 3イェイツの戯曲『何もないところ』『星から来た一角獣』は夢のお告げを語る男を主人公とする作品である。これらの作品のテーマである宗教組織のパロディと幻想(ヴィジョン)の解釈が、11~12世紀頃にアイルランド語で書かれた『マッコングリニの夢想』にも見られることに着目して作品の比較分析を進めた。` 4アイルランド語詩歌のうち、主として17世紀以降の強勢詩の構造について研究を進めた。句を中心とする組立てや、バラッド詩歌におけるアイルランド語版の特性を総合的に検証・考察した。 5ホワイトボーイズ、ユナイテッド・アイリッシュメンからアイルランド共和軍にいたる武闘派ナショナリズムに対抗する、エドマンド・バーク、マシュー・アーノルド、ウィリアム・バトラー・イェイツら文学者たちのリベラリズムと両者の葛藤の帰趨について、調査をした。
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