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2009 年度 実績報告書

アメリカ黒人文学と音楽文化におけるイスラム教の影響:破壊的欲望と創造のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 18520249
研究機関立命館大学

研究代表者

ウェルズ 恵子  立命館大学, 文学部, 教授 (30206627)

キーワードAfrican American Culture / American Folklore / Vernacular Culture / 音楽文化 / 宗教文化 / アフリカ系アメリカ人 / 口頭文化 / ヒップホップ
研究概要

今年度は本研究の最終年度になるので、総括的な報告を行いたい。
本研究は当初、アフリカ系アメリカ人の創造的活力と破壊的ないしは暴力的活力との根源を探るために、イスラム教の影響を検討しようとするものであった。イスラム教に注目した理由は、キリスト教が奴隷時代に支配者層に強制された宗教であるとの認識から、積極的にイスラム教に改宗した人々が相当数いたからである。またマルコムXやモハメド・アリのような影響力の大きい人物の重要性に注目して、ブラック・ムスリム(黒人イスラム教徒)の文化を、言語文化と音楽を中心に追求しようとした。
しかし研究半ばで気づいたことは、イスラームに改宗した人々に関してさえ、アフリカ系アメリカ人の現代文化でもっとも影響力があり新たな創造と破壊とにかかわっているのは、奴隷時代からの伝統を保ちつつ精力的に展開している彼らの口頭文化であるということだった。そこで研究期間の後半は、アフリカ系アメリカ人の口頭文化を奴隷時代から現代に至るまで分析的に概観することに方向を変えた。
口頭文化の展開の中でイスラームがどのようなインパクトを持ってきたかを探ることは可能である。本研究期間の前半に奴隷時代に直接発した黒人霊歌についてまとまった研究ができたので、後半はマルコムXの思想とかかわりの深いヒップホップを研究し、資料を収集、検討してきた。今後は、ヒップホップ発生までのアフリカ系アメリカ人の口頭詩についてまとめ、さらにヒップホップについて総合的に検討したい。これによって、アフリカ系アメリカ人の口頭詩全体が把握でき、その環境の中でイスラム教が彼らの文化にどう活力を継ぎ足してきたのかを指摘できると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 幻のブラック・クレオールソング・プロジェクト:ハーン、クレイビール、ケイブル2009

    • 著者名/発表者名
      ウェルズ恵子
    • 雑誌名

      文学 10-4

      ページ: 76-87

    • 査読あり
  • [学会発表] Hope over Fear--バラクオバマの自伝を読む2009

    • 著者名/発表者名
      ウェルズ恵子
    • 学会等名
      アメリカ学会関西支部大会
    • 発表場所
      奈良女子大学(奈良県)
    • 年月日
      2009-10-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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