アメリカ黒人文学と音楽文化におけるイスラム教の影響:破壊的欲望と創造のメカニズム

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18520249
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: ヨーロッパ語系文学
• 研究機関: 立命館大学
• 研究代表者: ウェルズ 恵子 立命館大学, 文学部, 教授 (30206627)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2009
• キーワード: アフリカンアメリカン文化 / 口頭文化 / 黒人詩 / アフリカ系アメリカ人フォークロア / 音楽文化 / African American culture / Oral Tradition / Folklore / Music Culture

研究概要

本研究では、アメリカ黒人文学と音楽文化におけるイスラム教の影響を検討する目的であったが、イスラム教よりも黒人の民間宗教的世界観や口頭文化の伝統に根ざしつつ、アメリカ社会からの圧力に応じたり抵抗したりする形で変容を繰り返してきているということが明らかになった。そこで主に、(1)人種差別撤廃運動とイスラム教のヒップホップ世代との関連、(2)奴隷時代からの黒人音楽文化の特色とラップ文化の特色、(3)黒人口頭文化の諸様式、の3点を追求することとなった。細部について詳細の研究が課題として残った。

研究成果

• [雑誌論文] 喪失の痛みを抱いて、ブルーズへ--ブラインド・ウィリー・ジョンソンとロバート・ジョンソン (2007)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 雑誌名: 立命館言語文化研究 Vol.19No.2 ページ: 191-211
  • 査読あり
• [雑誌論文] 黒人霊歌の現代--ゴスペルソングの始まり (2006)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 雑誌名: 立命館言語文化研究 Vol.18No.2 ページ: 173-185
  • 査読あり
• [雑誌論文] 恐怖の鎖を解くために--ジョンソンとオダムの黒人霊歌集
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 雑誌名: 文学(岩波) Vol.8No.1 ページ: 236-249
  • 査読あり
• [雑誌論文] 幻のブラック・クレオールソング・プロジェクト:ハーン、クレイビール、ケイブル
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 雑誌名: 文学(岩波) Vol.10No.4 ページ: 76-87
  • 査読あり
• [学会発表] 20世紀不況の時代における盲目の黒人辻説教師とブルーズシンガーたち:「声の詩」の特質を探る (2010)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 学会等名: 「ノイズ--耳の文学」研究会
  • 発表場所: 岩波書店
  • 年月日: 2010-02-27
• [学会発表] 「語りえない人々の『語り』」に関する一考察 (2010)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 学会等名: サントリー文化財団助成金研究成果中間報告会
  • 発表場所: サントリー文化財団
  • 年月日: 2010-02-03
• [学会発表] "Hope over Fear":バラク・オバマの『自伝』を読む"Hope over Fear":バラク・オバマの『自伝』を読む (2009)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 学会等名: 日本アメリカ文学会関西支部大会
  • 発表場所: 奈良女子大学
  • 年月日: 2009-12-05
• [学会発表] 黒人宗教民謡の口承テクストに対する二つのアプローチ (2008)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 学会等名: ユタ州立大学英文科連続講演会
  • 発表場所: ユタ州立大学
  • 年月日: 2008-09-03
• [図書] 黒人霊歌は生きている-歌詞に読むアメリカ (2008)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 総ページ数: 226
  • 出版者: 岩波書店
• [図書] 北米の小さな博物館(1項執筆) (2006)
  • 著者名/発表者名: ウェルズ恵子
  • 総ページ数: 212-219
  • 出版者: 彩流社