「新中国建国前後における伝統劇の多角的研究」に関する研究は、(1)研究会、(2)現地調査、(3)個人研究によって行われた。 (1)研究会 第1回(5月19日、於関西学院大学大阪梅田キャンパス)は、『京劇資料展』(早稲田大学演劇博物館、2005年)の書評(田村容子)と「宣南零夢録」の輪読(全員)。 第2回(6月18日、於関西学院大学大阪梅田キャンパス)は、「宣南零夢録」の輪読とこれまでの輪読結果のまとめ(全員)。 第3回(12月3日、於関西学院大学大阪梅田キャンパス)は、「梨園旧話」の輪読(全員)と「新中国前後の演劇資料(戯単)収集報告」(藤野真子、三須祐介)。 第4回(07年1月28日、於関西学院大学大阪梅田キャンパス)は、「申曲『秋海棠』上演をめぐって」(三須祐介)と「新的演出方法的開始」(松浦恆雄)の報告。 (2)現地調査 2007年1月4日から8日まで、浙江省〓州市において越劇の現地調査を行った。〓州越劇博物館、越劇学校、越劇発祥の地などを見学、調査し、3カ所の野外舞台を調査した。合わせて、現地での資料収集も行った。 (3)個人研究 松浦恆雄は、マイクロフィルム資料「越劇世界」、「戯劇報」などからの書き抜きと整理及び新中国前後の戯単、特刊の収集と整理を行い、新しい演劇史の構築について研究した。藤野真子は、京劇、滬劇を中心とした新中国前後の戯単、雑誌などの収集と整理によって、上演演目と上演形態の研究を行った。三須祐介は、京劇、滬劇を中心とした新中国前後の戯単、新聞広告などの収集と整理によって、伝統演劇における演出概念の成立について研究した。
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