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2007 年度 実績報告書

日本・イギリス・フランスにおける絵本の国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520282
研究機関梅花女子大学

研究代表者

加藤 康子  梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (60299005)

研究分担者 三宅 興子  梅花女子大学, 名誉教授 (80166131)
高岡 厚子  梅花女子大学, 名誉教授 (30107122)
キーワード絵本 / 狐 / イソップ寓話 / 児童文学 / 挿絵 / 擬人化 / 子ども / 伊曽保物語
研究概要

英・仏・日のイソップ絵本について、鳥と狐、狐と葡萄、狐と山羊(狐が井戸に落ちた話)、ライオンの病気(狐が狼を騙す話)、狐と鶴の各話を取り上げて、その資料収集・分析を行い、変遷や特徴を整理した。特に、イギリスにおいては全般的に系譜を辿った。フランスにおいては前年度に調査が及ばなかった学校教育の教科書に注目した。日本においては近世以外に遅代の作品にも注目した。また、各国の絵本の比較を試みた。
その結果、イギリスでは他のヨーロッパの影響を受けながらも、多様で大量のイソップ絵本が刊行され、その絵柄には話によっていくつかの型の変遷が見られた。フランスではイソップ寓話はラ・フォンテーヌによる寓話によって浸透し、それ以外のものはほとんど見られないが、絵本においてはその文章にさまざまな画家が挿絵を描き、その特徴を発揮している状況が見られた。絵柄についても、タブローとしてのデザイン性が高い。日本では近世は「伊曽保物語」として伝わり、挿絵は限られているものの近世期の擬人化の特徴を取り入れて、日本化されている。近代では再度翻訳物として出版されているが、明治期には江戸期の画風の影響を受けた日本化が色濃く見られ、文章にも「伊曽保物語」の影響を残すものも見られた。それ以降は欧米の影響を受けているが、その画風には日本独自の擬人化も見出すことができた。
狐というテーマをめぐりイソップ寓話の5つの話に限って三カ国の絵本を調査・分析・比較を続けているが、各国の絵本の特性が浮き彫りにされると共に、それぞれの国の絵本に対する考え方、ひいては子どもに対する考え方を見出すことができると思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 翻刻・豆本『頼光一代記』について2008

    • 著者名/発表者名
      加藤 康子
    • 雑誌名

      叢 草双紙の翻刻と研究 第29号

      ページ: 165-178

  • [雑誌論文] 日本の絵本の源が語りかけること2008

    • 著者名/発表者名
      加藤 康子
    • 雑誌名

      次世代をはぐくむために昔話研究を幼児教育に活かす

      ページ: 26-36

  • [雑誌論文] 江戸期子ども絵本の魅力(承前)-昔話の絵本化・赤本『兎大手柄』の場合2007

    • 著者名/発表者名
      加藤 康子
    • 雑誌名

      梅花女子大学文化表現学部紀要 4

      ページ: 1-17

  • [図書] 児童文学研究を拓く:三宅興子先生退職記念論文集2007

    • 著者名/発表者名
      三宅 興子, 他
    • 総ページ数
      375
    • 出版者
      翰林書房
  • [図書] ボーからジュール・ヴェルヌ、ランボーへ:冒険物語の系譜をたどる2007

    • 著者名/発表者名
      高岡 厚子
    • 総ページ数
      203
    • 出版者
      多賀出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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