研究概要 |
本研究は,ドイツ語の基本動詞を対象にその使用実態に基づいてデータベースを構築することを目的としている。研究第2年度の19年度は,昨年度に引き続き特に使用頻度が高いと思われる500語のデータベース化を目標として作業を行った。昨年同様,一つの動詞につき,平均300の用例を収集した。すべて,IDS(Institut fur Deutsche Sprache)が提供するCOSMAS IIをオンラインで使用した。やはり,収集目的に外れる例がヒットし,それらを除外し,収集目的にかなった元データを作成にすることに多大な時間を要した。その結果,各文成分に,形態的特性(品詞属性など),統語的特性(格形,文における位置など),意味的特性(指示物の特性など)を付与するほか,文全体に語用論的特性(発話状況,発話行為など)を付与したデータベースとして完全な形になっているのは年度末で200語程度にすぎない。本作業に研究補助者計2名を合計約300時間使用した。これではかなり作業の進捗が悪いので,次年度は増加する予定である。 平成19年度は,8月の日本独文学会語学ゼミナールにおいて,本研究の動詞のデータベース化について,作業補助者とともに研究報告を行った。その場では,このデータベースの設計について高い評価をいただいたが,作業量の軽減と最終的なデータの提示について建設的な批判もいただいた。また,平成20年2月に東京外国語大学のグローバルCOEによる「コーパス言語学研究会」第12回において講師として本研究のデータベースについて報告した。現在,その成果を論文にまとめている最中である。
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