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2008 年度 実績報告書

日仏名詞限定表現の対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 18520295
研究機関東京大学

研究代表者

坂原 茂  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40153902)

キーワード名詞限定表現 / 日仏対照研究 / 定冠詞 / 指示形容詞
研究概要

フランス語と日本語の名詞句の用法の大きな違いは,冠詞のある・なしである.この違いが名詞句使用や,意味論に及ぼす影響は大きく,日本語話者のフランス語名詞限定表現の習得を困難にしている.ところが,これまでの冠詞論では,冠詞は,他の名詞限定表現(指示詞,所有形容詞など)と切り離して研究されることが多かった.しかし,この方法は,名詞句使用の全体的システムへの考慮を欠き,有意義ではない。本研究では,日仏語名詞句使用の全体を視野に入れ,その全体の中で特定の名詞句がどの用法を担っているか,すなわち全体的システム内の役割分担を考え,個々の名詞句の機能を明らかにした.
さらに,名詞句の機能を背景で支える知識ベースに目を向け,それぞれの名詞句が知識ベースとどのような関連をもつかを考え,包括的な名詞句理解のモデルを構築した.具体的には,談話処理に関係する知識ベースは,一般的知識,発話状況についての知識,先行談話に対する知識(談話処理記憶と呼ぶ)の3つのデータベースから構成され,さらにご談話処理記憶は,短期言語データ記憶,談話理解記憶,長期談話記憶に細分化される.こうした知識ベースに助けられることで,名詞限定表現は,十分働くことができる.このモデルから,定冠詞で限定されたフランス語名詞句(定冠詞句と呼ぶ)と限定表現がつかない日本語名詞句(裸名詞と呼ぶ)との対応の詳細を研究し,日本人フランス語学習者にとりフランス語限定表現の習得がなぜ難しいかを明らかにし,その習得を容易にする方法の研究を進めた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamism in Category Reorganization in Tautology2008

    • 著者名/発表者名
      Sakahara, Shigeru
    • 雑誌名

      NCKU FLLD Monograph series. No.1

      ページ: 205-221

    • 査読あり
  • [学会発表] Motion verbs and the expression of secondary aspects2008

    • 著者名/発表者名
      坂原茂
    • 学会等名
      Space-time mapping workshop
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-11-08
  • [学会発表] アスペクト表示の複合動詞「Vて来る」と空間メタファ2008

    • 著者名/発表者名
      坂原茂
    • 学会等名
      文法学研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-07-12
  • [学会発表] 条件文と因果関係ネットワーク2008

    • 著者名/発表者名
      坂原茂
    • 学会等名
      日本語学会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2008-05-17
  • [学会発表] A case of an exceptional causative construction in French and the Rescue Principle2008

    • 著者名/発表者名
      坂原茂
    • 学会等名
      Oxford-Kobe Linguistic Seminar
    • 発表場所
      St. Catherine's College Kobe Institute
    • 年月日
      2008-04-01
  • [図書] 言語処理辞典(編集および項目執筆)2009

    • 著者名/発表者名
      坂原茂
    • 総ページ数
      600
    • 出版者
      共立出版(予定)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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