本年度は中国や日本で発行された近代及び現代中国語の各種資料の収集及びそのデータベース化のための基礎作業を行った。まず電子環境の整備から着手し、多言語対応の基本ソフト(WindowsXP Pro)の購入及びインストートルを行い、WindowsXP日中英用語対照表を作成した(未刊行)。近現代中国語のCD-ROMにはPDF形式のものとテキスト形式のものがあり、検索方法も両者で大きく異なる。両者のデータを総合的に整理できる耐性を整えることが今後の課題どして残された。特にPDF形式ファイル中の文字を正確にテキスト化する体制の確立が必要だと痛感した。一方2006年度は中国で20世紀前半の定期刊行物(新聞・雑誌等)のリプリントが大量に刊行された。このうち興味深い物を購入したが、これらの資料がどの程度まで電子テキスト化できるかどいう課題が残されている。資料の電子化の作業に遅れがでたため、本年度はアルバイトを使つた作業は見送ることにした。 データの分析は2007年度以降の重要課題となるが、本年度はその試行的作業を行うてみた。各時代の文学作品のテキストにキーワード検索を行い、量詞の用法、介詞の用法、補語の用法等に関し試行的に分析を行った。現代中国語(口語)において量詞は計数以外の目的で幅広く使用されており、それらは「個体の具体化」「具体的描写」といった意味機能に集約できると考えているが、20世紀前半の、現代普通話が意識される以前の口語調の文学作品にもこのような用法が存在すうことが確認された。一方文語調の作品にも量詞が計数以外の目的で用いられる例が見られたことから、今後は作品ごと、時代ごとの統計資料を作成レていきたい。
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