研究課題
本研究は国外での言語調査と国内における調査資料のデータベース化の作業から成っている。20年度はこの方針に沿ってグルジア共和国において実地調査を行う予定であったが、グルジア紛争によって調査を行うことができなかった。国内においては今まで得られた資料をデータベース化し、アブハズ語辞書を作成する作業を行った。具体的な研究作業と成果は以下である。1. データベース構築の作業:アブハズ語テキストを形態素に分析し、グロスを付け、これに英訳と注をつけた(その一部は、Abkhaz Text(5), Abkhaz Text(6)として発表した)。今日までにアブハズ語話者から収集した語彙・文法情報とテキストから得られたデータをデータベース化した。2. 辞書作成の作業:動詞は他動性の区別、接辞のスロット配置構造の型、終止形の現在形・アオリスト形・命令形・絶対形をそれぞれの否定形を含めて記載した。基礎語彙については各種の文法範疇の形を網羅的に記載した。非終止形は現在形とアオリスト形を記載した。例文は全て形態素に分析し、アクセントを付け、英訳とロシア語訳を付けた。名詞は複数形と不定形を記載した。これらを「Analytic Dictionary of Abkhaz」として辞書の形にまとめた。これは初めてのアブハズ語の動詞形態論を詳細に分析した辞書である。これを平成21年度科学研究費補助金・研究成果公開促進費「学術図書」に応募し、内定を得た(課題番号215068)。平成22年2月にひつじ書房より出版の予定である。
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studies in Language and Culture. (Graduate School of Language and Culture, Nagoya University) Vol. 30, No. 2
ページ: 251-276
Studies in Language and Culture. (Graduate School of Language and Culture, Nagoya University) Vol. 30, No. 1
ページ: 123-137