研究課題
基盤研究(C)
ロシア科学アカデミー東洋文献研究所(前ロシア科学アカデミー東方学研究所サンクトペテルブルグ支所)には未解明のウイグル語文献が大量に保管されている。それら未解明ウイグル語文献の文献学的研究が本課題の目的であるが、目的遂行のためにロシア所蔵文献と関連するロシア所蔵品以外のウイグル語文献も扱った。2年間の研究内容は以下の3点に要約できる。1.ロシア科学アカデミー東洋文献研究所蔵の数十葉の『阿弥陀経』の類書断片を集め、マインツやイスタンブールに保管されている同じ仏典に所属する断片と併せて研究した。この研究はベルリン・ブランデンブルグ科学アカデミーのP.Zieme教授との共同研究である。すでにラテン文字テキストと英訳・注釈を付けて出版段階に入っている。2.報告者は1991年から1993年にかけて大英図書館所蔵のウイグル文『阿毘達磨倶舎論実義疏』のテキストと和訳を提出したが、その内容を全面的に書き換え、さらにロシア所蔵や中国所蔵のアビダルマ論書断片を併せて総合的に研究した。この研究成果は『ウイグル文アビダルマ論書の文献学的研究』と題して2008年3月に出版された。3.東洋文献研究所のウイグル語文献断片中に『鍮伽論記』『縁起聖道経』『大方廣圓畳修多羅了義経』『金剛般若波羅蜜経』を同定し、テキストと和訳を作成した。また、未だにウイグル語訳への翻訳原典の同定できていない断片類のラテン文字転写テキストも多数作成した。今後時間をかけて同定作業を続行する予定である。
すべて 2008 2007
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北東アジア研究 1
ページ: 67-84
Kyoto Shokado
ページ: 739
Shimane journal of North East Asian research : North East Asian : North East Asian region No.1
Aspects of research into Central Asian Buddhism, Turnhout
ページ: 349-368